一首評の記録
-
一首評〈第131回〉
与謝野晶子 『みだれ髪』 やは肌のあつき血汐にふれも見でさびしからずや道を説く君 テレビを見るのが好きだ。何気なく番組を見るのも好きだが、私はCMを見るのも好…
-
一首評〈第130回〉
村上きわみ 『蟹座』「夏のこども」 心臓をまもって歩くけものたち(夏のいのちはいたみやすいね) (ネットプリント(net print)とは、富士ゼロックスがセブ…
-
一首評〈第129回〉
中島らも 『全ての聖夜の鎖』 「薄明に野の祈り容いれられず斯かくて夜はきしむ卵となりぬ」 三つの掌編からなる『全ての聖夜の鎖』冒頭、黒地に白抜きの文字で提出歌は…
-
一首評〈第128回〉
川北天華 歌会の記録(2011年4月15日分 問十二、夜空の青を微分せよ。街の明りは無視してもよい この歌は、当HPの前回の一首評で廣野翔一が取り上げた歌である…
-
一首評〈第127回〉
川北天華 歌会の記録(2011年4月15日分) 問十二、夜空の青を微分せよ。街の明りは無視してもよい この歌を見た時のことは少しだけ覚えている。歌稿に手書きで書…
-
一首評〈第126回〉
山崎方代 『こおろぎ』 一度だけ本当の恋がありまして南天の実が知っております 恋というのは何度もあるものかもしれないが、「本当の恋」といえるものはどれほどあるか…
-
一首評〈第125回〉
辰巳泰子 『紅い花』 いとしさもざんぶと捨てる冬の川数珠つながりの怒りも捨てる 大きな川のある街に住んでみて、同じ川でも夏の川と冬の川では全くの別ものであるとい…
-
一首評〈第124回〉
山崎聡子「四号線」(『手のひらの花火』) 目を閉じて音だけを聞く映画にも光はあってそれを見ている 5月に発行された山崎聡子の第一歌集『手のひらの花火』からの一首…
-
一首評〈第123回〉
斉藤斎藤『渡辺のわたし』 せつない とあなたの声で言ってみる あなたの耳に聞こえてる声 歌集の最後に収められている連作、「とあるひるね」の中の一首。この歌を単体…
-
一首評〈第122回〉
吉田恭大「わたしと鈴木たちのほとり」(「早稲田短歌」42号) ここはきっと世紀末でもあいている牛丼屋 夜、度々通う この文章は一週間で消える幻だ、しかしながら……