一首評の記録
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一首評〈第18回〉
金田光世 『京大短歌』 13号 マンションに夜舞い降りたフラミンゴ照らされる時雨傘になる 目にした途端、様々な映像や色彩が頭の中を踊る一首である。夜の闇に浮かぶ…
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一首評〈第17回〉
松村正直 「蟻走感」(『短歌往来』 2003年12月号)の一連より 被弾した機体のごとく飛来してわが腕に蝉はぶつかりにけり 夏の盛りを過ぎると公園や路上に蝉の屍…
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一首評〈第16回〉
高島裕 『雨を聴く』(ながらみ書房:2003) 波へだて遠ざかりゆく君のためなほまつすぐに告ぐる愛あり 「なほ」という一言が、これほどその生命をまっとうしている…
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一首評〈第15回〉
片柳香織 『京大短歌12号』 「ナイフ? 何故?」咯什カシュガルの女性ひとは紅き爪真っすぐに立てて白桃割りぬ すっと、鮮やかな映像が浮かびあがる。活気溢れる異国…
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一首評〈第14回〉
西之原一貴 『京大短歌』 13号 頬に風受けつつ走る今もまた何かを忘れてゆくのだろうか 忘却は常に起こっているものではあるが、それを意識する事はない。せわしなく…
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一首評〈第13回〉
上田茜 『京大短歌』 12号 氷砂糖溶けゆくかたちを確かめてすべてあなたのせいだと思う 一読、美しい相聞歌だと感じた。 解釈を迷う部分は殆どない。氷砂糖を、その…
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一首評〈第12回〉
首藤絵美 『螺旋般若』(短歌研究社:2003) わが海の荒れやまぬ夏終わるらし あふむけの蝉返し歩かす 「わが海」は一夏を慣れ親しんだ眼前の海であるとともに作者…
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一首評〈第11回〉
西之原一貴 『京大短歌』 12号 手のひらの石けん小さくほぐれゆくまだ果たせずにいる約束は 浴室かとおもう。ぬれた石鹸を持ちつづけることは難しい。しっかり掴もう…
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一首評〈第10回〉
澤村斉美 2000年6月10日の歌会より 町の灯を遠く指すとき古魔術のむかしは指の先に現る 自分の指をどのように見るか。そこから広がっていく世界の果てしないこと…
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一首評〈第9回〉
柴田悠 1999年6月9日の歌会より あの粒の残していった水みな跡を拾いつづける車窓の雨粒 点々とある雨粒どうしがむすばれて一筋の流れを形成してゆくという、ガラ…