歌会コメント
学生短歌会春合宿1日目。コロナ禍で行われなかった対面での合同合宿が、4年ぶりに京都市役所前のホテル本能寺にて京大短歌主催で行われました。北は北海道、南は九州から40人の参加。最初は緊張した空気が漂っていましたが、歌会が進むにつれて緊張も解けていきました。深夜は歌会をしたり、喋ったり思い思いに過ごしました。
詠草
恥っずいな居酒屋でみんな気づいてたっぽいね自分がそわついてたの/武藤寛和 駐輪場が全部埋まってる この冬はそんな夢を何回か見た/髙田皓輔 溺れたい どんな角度で注いでも容れ物は形を保つはず/芒川良 ものの芽の沸き立つ春の一人部屋 夜は歯ブラシいい音がする/合田陸 法学で善意とは知らないことで通知も風も吊り広告も/真中遥道 眠りから覚めてきのさき柳の木水にいる鯉陸にいる蟹/小野りた 途中下車したい気持ちがあらたまの次元のきみを見つけてしまう/瓊 海沿いに並ぶ自販機を思って止まらない手遊びを始める/師村レイ 見つめればピントの合わない熱気球 はじめから温度を持たない町/ 湯浅桃 展望台無人なれば背な軽く海峡ごしになべて靡けり/巽惇 夕暮れの水面の匂いを嗅ぎながら鯉はしずかに下流へ向かう/武田歩
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