一首評の記録
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一首評〈第118回〉
江戸雪『百合オイル』(『セレクション歌人3 江戸雪集』より) 思い出を確かめながら渡る橋バックシートにCDなげて 運転する時に気が散るから物を助手席に置いたり後…
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一首評〈第117回〉
江戸雪「火」/『百合オイル』(『セレクション歌人3 江戸雪集』より) 水の光かげとどめるビー玉死のときに握っていたいもののひとつに 水の光をとどめるビー玉。ビー…
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一首評〈第116回〉
山階基「近いうちに」/『早稲田短歌四十一号』 帰り道あなたがわたしを覗きこむ顔の角度をみつけてしまう 帰り道に「あなた」が「わたし」を覗きこむ時の角度を作中主体…
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一首評〈第115回〉
平岡直子「Happy birthday」『早稲田短歌四十一号』※朝日新聞「あるきだす言葉たち」欄二〇一一年二月一日掲載 セーターはきみにふくらまされながらきみよ…
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一首評〈第114回〉
安田百合絵「オンディーヌ」/『外大短歌 第二号』 人間に恋してしまつた ほのあかりする夕星ゆふづつに打ちあけてみる 「人間に恋してしまつた」?なら、別にいいだろ…
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一首評〈第113回〉
光森裕樹『鈴を産むひばり』 鈴を産むひばりが逃げたとねえさんが云ふでもこれでいいよねと云ふ 光森裕樹の第一歌集「鈴を産むひばり」の第一首目であり、同歌集のタイ…
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一首評〈第112回〉
杉崎恒夫『パン屋のパンセ』 卵立てと卵の息が合っているしあわせってそんなものかも知れない しあわせって、なんだろう。不幸でなければしあわせ、というわけではない。…
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一首評〈第111回〉
馬場あき子『桜花伝承』 忘れ得ぬ心みたりし春のこと千の椿の葉の照り返し 心を見たのだという。かつての春、確かに目撃したある忘れられない心が今、あたかも無限に反…
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一首評〈第110回〉
栗木京子『夏のうしろ』 雨の夜は亡き人おもふほのぼのと発光をする馬のかたちの 雨降りの夜には光が滲んで見える。 ずっと眺めていると、その光の中に見えてくる輪郭…
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一首評〈第109回〉
高松紗都子「NHK短歌」8月号 青年と父が言うとき恋人は若木のように我が胸に立つ 父にとっては「青年」、作中主体にとっては「恋人」。人は様々な側面を持っているも…