一首評の記録
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一首評〈第25回〉
北辻千展 『塔』 二〇〇四年十月号 各階に京都を見下ろす人はゐて風がそよげば白衣がなびく 京都を見下ろせるA棟の渡り廊下 『塔』十代・二十代歌人特集中の連作、「…
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一首評〈第24回〉
永井祐 第三回歌葉新人賞「冒険」 半そでのシャツの上からコート着て透き通る冬の歩道をあるく 12月です。ので外はとっても寒い。けれど最近はどこへ行っても室内は十…
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一首評〈第23回〉
錦見映理子 『ガーデニア・ガーデン』(本阿弥書店:2003) でも君の背後にいつも窓はあり咲いているその花の名は何 始まりの『でも』という言葉は何にかかっている…
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一首評〈第22回〉
岡本かの子 『浴身』 くれなゐのだりあのかたへいやふかき紅に咲く大輪だりあ 夏のおわりに咲く、もっとも色の濃い花がダリアである。一輪のダリアの紅色、そしてそれに…
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一首評〈第21回〉
森本平 『セレクション歌人28 森本平集』(邑書林:2004) 歳をとったら 歳をとったら君に出すお茶にもつつじのひとひらを入れ 一読、恋人に「歳をとったら、私…
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一首評〈第20回〉
雪舟えま 『かばん』 2002年12月号 どの恋人もココアはバンホーテンを買いあたしの冬には出口がない すぐれたアートは時を止める。たとえばある種の音楽を聴いて…
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一首評〈第19回〉
可陽亭紅円 『短歌研究』 2003年11月号 より孫引き 元日のあさ裃に積もりけるゆきたけながき春がきました この歌は「ディテールを描く」という特集の中で、瑣末…
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一首評〈第18回〉
金田光世 『京大短歌』 13号 マンションに夜舞い降りたフラミンゴ照らされる時雨傘になる 目にした途端、様々な映像や色彩が頭の中を踊る一首である。夜の闇に浮かぶ…
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一首評〈第17回〉
松村正直 「蟻走感」(『短歌往来』 2003年12月号)の一連より 被弾した機体のごとく飛来してわが腕に蝉はぶつかりにけり 夏の盛りを過ぎると公園や路上に蝉の屍…
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一首評〈第16回〉
高島裕 『雨を聴く』(ながらみ書房:2003) 波へだて遠ざかりゆく君のためなほまつすぐに告ぐる愛あり 「なほ」という一言が、これほどその生命をまっとうしている…