歌会コメント
歌会 参加者6名。
どんよりと嫌な天気の日でした。ゆっくりと歌を読み込んでいきました。
詠草
01 コットンに水を含ませ午後五時の葉陰にひそむ群青を捕える 金田光世 02 『マルグリット・デュラスのアガタ』に寄せて 死ではない旅立ち…そして何もかも冬の海辺のように滑(すべ)らか 生駒圭子 03 ゆっくりと歩幅を広く寄り来しは五月台風陸に踏み入る 澤村斉美 04 ターコイズブルーの皿に水滴を並べて遊ぶ野外夕刻 金田光世 05 台風による延期事項三件に恋に関わる一件はあり 澤村斉美 06 敷き道に立てば木陰に覆はれぬ見送る者はその影もちて 西之原一貴 07 死ぬことを知らぬ若木の根元より死せる赤子の魂出づる 増田一穗 08 そげ抜きの折 夕餉前ささくれを持つ父の手に触れてわが手の柔らかさ知る 北辻千展
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