歌会の記録:2023年2月7日(火)

歌会コメント

8名で歌会を行いました。解題の時間を長めにとり、作者の意図や制作背景についても話しました。

詠草

本当の風景を見たことがない 涙の膜が目を覆うから/今紺しだ

口紅がマスクについていてこれは世界と交わしたかったくちづけ/布野割歩

牛丼に卵を落とす世界一ズルい作戦でいい勝ちたい/三上麦

冬は過ぐばつんと切られし髪を梳く指の寂しさ忘れてゆかむ/小池ひろみ

分かり合うつもりだった「もう疲れた」と8切って君はひとり2上がり/真中遥道

水滴で石を彫るならその速度その喩としての千の花びら/豆川はつみ

またねとは言えずに文庫本を貸す われわれは大海原の舟/齊藤ゆずか

冬よりも冷えて佇む肋骨を横向きにしたような雲梯/武田歩
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