歌会コメント
七夕歌会 参加者数19名
松島綾子さん主宰の相聞題詠。久々の試みだったが大盛会となった。
詠草
<題詠 恋歌、一部相聞(↓部)> 01 君も一人星合ひの空仰ぐらむ「今ハ信ジタ自分ノ道ヲ」 片柳香織 02 約束の場所は一筋さきにある笹のしおりを挟んで立ちぬ 田中克尚 03 水の音・風琴の音・白薔薇の音・月光の音 あなたを見せて 黒瀬珂瀾 ↓ 04 太陽の炎であばいてご覧なさいアガパンサスがささやくのなら 松島綾子 05 触れえざる言葉のかげの膨らみて部屋に青満つ夜のまにまに 西之原一貴 ↓ 06 我はただ君の言葉を繰り返す瞳に満ちる青を見つめて 金田光世 07 東京は遠い。素足の踝(くるぶし)に夏のひかりの手が届く間に 島田幸典 ↓ 08 常夏のひかりの触手を求めればアンクレットに君はなれるか 杉美和 09 手花火を咲き継がせいん真うしろのきみの気配をずっとこのまま 岸本由紀 10 天球を指で回(めぐら)す夕暮れのかつてもふたりしじまを見ていた 澤村斉美 17の返歌 11 (作者の都合により省略) 12 砂金したたらせ銀河の土手のぼる気付かぬふりをしている君へ 森雅紀 13 通信の切れし美山にまどろめる眼裏で君は我に微笑む 柴田悠 ↓ 14 君の目の届かぬ今日は引き出しの中のむかしの恋文を読む 井上リリー 15 夜眠るときだけ眼鏡をはずすとう眉間を見れば友に似ており 水野ふみ 16 君の住む町を横切る路線バス「天の川」とう四つかどを過ぐ 末松幸弘 17 手の中のつぶてを投げられずにふたり寡黙な西瓜を提げて帰ろう 澤村斉美 18 修復を重ねて傷を深くする私たち 草刈りのにおいす 永田紅 19 息吸へば悪しき始源のひと去れり吸はれてあかくなりし唇 田中あろう 20 本心とう穂の見渡せるあぜ道をペダル踏みつつ過ぎてゆくらん 西之原一貴 ↓ 21 過ぎゆきぬ人はえ見ず麦の穂の西陽に熟すそのなかは白 杉美和 22 おほさかの関を犯して面向けどミルキイウエイにこの食中り 中島裕介 23 七夕にも友を思うか手紙とは愛する女に書くものだ、きみ。 岸本由紀
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