歌会コメント
追い出し歌会 参加者数11名(うち4回生4名)
追い出しコンパ 参加者数17名(うち4回生8名)
詠草
01 見ずの日や。ま、家(うち)でその芽を膨らませ、何時か大層枝に盛りなはれ 柴田悠 02 冬眠の記憶ほつるヽ川の水岩あれば大まわりして沿う 森雅紀 03 春先の心鋭くささくれてこの三日月に稀釈されおり 田中克尚 04 鳥を撃つ音閉ざしゆく葉擦れかな身体は深き、おくふかき森 島田幸典 05 移り香を残しておりぬ空(から)グラス桜一枝注ぎたくなる 大嶋元気 06 信号の向こう枝々揺れたればその花や舞う小さき背に 西之原一貴 07 ひっそりとビュッフェは死んで退屈な日々の一部が相続されり 上田茜 08 あらそひて駆けしことはもクロニクルたづさへきみは行かむとするなり 澤村斉美 09 茜――蔓草の一。根から赤黄色の染料をとる。 虚も実もいずれ頌(わか)たじ茜いろ絞る小草のその白き花 島田幸典 10 唇の合わせめの奥丹の色残るほとけ 草の葉に指切られし川辺 水野ふみ 11 水に書く文のごとくも憶い出は流るやがて時雨と降らん 島田幸典 12 雪に頭(ず)を撫でられ卒業確定す まだ去り難し京大短歌 山内頌子 13 朝の月頌め別れなん言うべきを語り尽くせる宴のあとを 島田幸典 14 時という都の路地の薄あかり今日歩き来て明日あゆみくる 島田幸典 15 山科区日ノ岡――大津京ありし昔、日時計が置かれていた。 日の岡を濡らす日照雨(そばえ)に日時計は淡き影さえ光りそめけん 島田幸典
- このページに掲載の歌稿は、作者の許可のもとで掲載しています。
- 転載などを希望される場合には、京大短歌会のメールアドレスあるいは「お問い合わせ」より連絡ください。作者の意向を確認し、その都度対応を決定してご返信いたします。