歌会の記録:2000年1月26日(水)

歌会コメント

歌会 参加者数8名

詠草

01 ふかぶかと旧版路線図たどりつつ帰れたのにねメーテルは笑む  澤村斉美

02 湖の上の雄々しき枝に美少年座れば優しわれの拒絶も  黒瀬珂瀾

03 ほう、それでと岡井隆に言われしがしどろもどろになりて目ざめつ  西之原一貴

04 服を着て華やぐ手足よ浴槽の中では疲れた白き根菜  上田茜

05 カタカナで行間埋めたき本のあるかくふぞろいな街並を背に  田中克尚

06 憶い出のことばのように冬闇はとおくのひかりをじかに伝える  島田幸典

07 むかし、僕は君のうしろに並んださ夏の光の白かりき 首  棚木恒寿

08 立ち初めし赤児の背中を押しやりて使いに行かせる母のいるかや  末松幸弘
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