歌会の記録:2000年1月12日(水)

歌会コメント

新年歌会 参加者数11名

詠草

01 朝まだき冬波影を押しきたりなまあたたかきもの産み流す  森雅紀

02 この朝酸素きらめくほど君の目を覚ますため軽きくちづけ  黒瀬珂瀾

03 色あせた青のジャンパーかさかさと朝定食をかけこむ男  西之原一貴

04 だんだんと蛇口ひねれば顔をうつ水圧にきょう一日思う  田中克尚

05 出席か限りなく密な快眠か未来か今か朝の哲学  柴田悠

06 隆と名乗りし悪党と水無き六道川に立ち尽くせり  澤村斉美

07 昼寝せり、せり、せり、せりに暮れ近し陽に透けながらセコイアの枝  棚木恒寿

08 頬を刺す睦月冷冷漂へば暗黙守りて往く稚児孕む  井上リリー

09 電源を確保し終へて帰りたり辺境に迅く年は訪れ  田中あろう

10 家庭には事情がありて言い出だす傷のひとつの華やかさかな  永田紅

11 傘の尖gunにして撃つ友の胸熱散れるほどのしずくは飛ばず  岸本由紀
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