歌会コメント
満月で迎える十五夜は七年に一度だけであると知った会長の発案により、急遽お月見歌会が鴨川デルタにて開催されました。のべ七名ほどが参加し、各人が思い思いの団子を持ち寄って、いくぶん涼しくなった晩夏の夜風に吹かれつつ満月を観賞しました。
詠草
虹彩で仕舞い切れない満月を受けとめている胸の広がり/武田歩 月光の届くことない橋脚の支え続けている月の橋/武田歩 ぼくたちにはぼくたちの潮汐があって月を見にゆく約束をする/布野割歩 十五夜の光に目を細めたままのきみに月傘差し出している/三上麦 月光の癒す川面の傷痕を大学生が花火でえぐる/依田口孤蓬 ッバサッとすすきがはたき振り向いた 白い会話を月はみまもる/森井翔太
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