歌会の記録:2006年9月18日(月)

歌会コメント

歌会extra 参加者6名。
觜本さんの上洛にあわせた歌会。黒瀬珂瀾さんにもお越しいただきました。ありがとうございました。

歌会のあと、棚木さんや西之原さんも合流。先輩方の短歌にたいする熱を、すこしだけ分けていただきました。

詠草

01 コットンのレースの裾が去る朝(あした) ひとあしごとにバッタを逃がし  東郷真波

02 次に会うまでは保留にする気持ち「秋の新作パスタ」はためく  笠木拓

03 長すぎる腕ふらずゆく冬の街ジャコメッティの人体として  觜本なつめ

04 遊園に園児らが鳩追ふごとく歌のわかれを追ひき逃しき  黒瀬珂瀾

05  30首まで出詠OKとのことで試みに9首プラス・リメイク1首

  だんまりもおそらく主張立てられたお茶は見事な音で飲むべし

  弟は女性にあらじ秘め事の秘め方もへえ、違うものらし

  「し」でおわる歌の多しと小突かれりどのみち死にておわるならわし

  数㎜の距離に突如 子は母の内へ外へと舞うほかになく

  誕生日水よりも濃き血の巡るこころ献血車に横たえて

  凹みゆくベッドのかたちに四肢はある曲りなりにもサル目のヒト

  水郷は況してやさしく就学期最終年に今以て住む

  蒲生野の紫の風背に受けて午後は逆流などせぬだろう

  おとといの色を集めて朝顔は日付をきわに昨日をひらく

  紫陽花がほやほやとして色付けばやはり地球は青かったのだ

    吉村千穂
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