歌会の記録:2002年12月9日(月)

歌会コメント

参加者6名。平日歌会にも関わらず盛況。川上浩史さん、2度目の参加。その後のくれ
なゐでは川上さんが古典和歌に関心のあることが判明し、古今集を読む会のメンバー
は色めきたったとか。

詠草

01 霜露の分かちがたくも置ける野に注ぎ流るる師走の雨は  西之原一貴

02 この先に続くは失速する歩道明るき棘の痛みの鈍さ  増田一穗

03 まなざしの深きところをおちゆくは鴉なり雌のからすを追うて  澤村斉美

04 冬だ冬だと告げて退く一人見ゆもはやいずれの予言でもなく  棚木恒寿

05 越後路に 名残は尽きぬ 五月(さつき)雲 流れゆきぬる 明日は都路(みやこじ)  川上浩史

06 朱くなりゐる葉を持ち蔦は白樫の幹を昇れり樹皮を這ひつつ  西之原一貴

07 ほほう、あなたは女でありながら女が怖い、と。
  うっすらと口開くようにある薔薇の兄になれるかなあ水に浸りて  澤村斉美
  • このページに掲載の歌稿は、作者の許可のもとで掲載しています。
  • 転載などを希望される場合には、京大短歌会のメールアドレスあるいは「お問い合わせ」より連絡ください。作者の意向を確認し、その都度対応を決定してご返信いたします。