歌会の記録:2002年9月23日(月)

歌会コメント

久々の京都での歌会。参加者9名。高以良潤子さん、日高智さん、初参加。金田光世さん久々の参加。
歌会の続きも兼ねた、くれない飲み会には、水野ふみさん、山内頌子さんも久々に顔を出してくださいました。小島一記さんも、いつも名古屋から来て下さり、ありがとうございます。

詠草

01 湯につかる血の束くらし滾々とにっぽんじんはゆぶねに浸かる  小島一記

02 天ぷらの揚がりゆく音に寄りて言う体育のとき雨降りしこと  日高智

03 和と不和は割れた茶碗で始まりぬ日曜洋画劇場の前  松本隆義

04 煉瓦 水に流される泥 よきおのとあしこもののそんざいをしる  高以良潤子

05 出雲路橋東詰やや下り坂 ハンドルを振り速度を落とす  松島綾子

06 わが影に肉体のごとき厚み見ゆ固まりてゆく夕焼けを背に  棚木恒寿

07 無意識に羊かぞえてくてくてと真夜入り込む眠りの迂路に  小島一記

08 あさがおのなごりの花は風の澄む空の高きを見上げてしぼむ  日高智

09 職場に佐々木先生は三人。それぞれを善・悪・変とひそかに呼び分けて

  ジャスミンティーを好む変氏の晩年は雲を纏うよ白紙  しらかみ振って  棚木恒寿

10 「お替茶碗で失礼致します」
  お運びの人後ろから襲ひきて次々と湧くやうに茶を出す  松島綾子
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