歌会の記録:2020年6月14日(日)

歌会コメント

京都も梅雨入りしたそうで、連日雨が降っています。今日は、大阪大学短歌会さんとオンライン合同歌会を行いました。参加者は、阪大短歌会さんから4人、京短から10人でした。阪大短歌会さん、ありがとうございました。

詠草

*大阪大学短歌会を(大)、京大短歌を(京)で表記します。

ふたりして求める星の重さをも「あのころは」って笑うだろうか/武村みこ(京)

午前中とは言うけれど午後中と言わへんなぁーって子猫をかまう/神威(大)

鰓、鱗、望んで捨てて得し身体水と血の香が鼻腔をみたす/福田紗奈(京)

ええ、きみの肩甲骨にしまわれた落下傘は欠陥品です/咲山かる(大)

この小径ここに出るのね新しい街を舞台に神経衰弱/小野りた(京)

オリオンは大きな窓にまどろんであおく息づく山稜となる/此処あすこ(大)

雀の死から目を逸らし覗きこむ榊の花の白さ小ささ/月隠いち(京)

銀鱗に突き刺す刃 血に濡れた我が手を凪の烈日が焼く/岩尾健司(京)

強さとか弱さ数える指ならば波打ち際に置くガラス片/穂波(京)

いとしさは日向でほしたぬいぐるみに顔をうずめて息するこころ/渡辺理香(京)

おひるね お を付けるくらいのやさしさに今の私が包まれている/城戸真色(京)

沈黙は痛みだろう ふかぶかと千言萬語をのみこむ咽喉の/右谷潮(大)
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