歌会コメント
第64回京都大学11月祭に出店致しました。その際、来場者の方々と会員でいちご(一語)摘みと短冊歌会を行いました。あわせて27首の歌が集まりました。参加してくださった皆様、本当にありがとうございました。
会員の詠んだ歌を紹介致します。
詠草
【いちご摘み】 またねって言われて《また》があることを何度も宙に投げ上げている/雪野菜帆 引き出しの奥の思い出 銀色の飛沫と宙へ跳び出す鯨/真中遥道 降りしきる雨の銀色 ふるさとの街を振り返らずにスキップ/雪野菜帆 ゆっくりとミシンを踏めば加速する 雨はとどまることを知らない/武田歩 涙にも限度があって夕虹は平野を包むようにひらいた/成山ジュンヤ 君の涙はにじむばかりで流れないその胸中に広がる海よ/小野りた それぞれの偏愛の声さざめいて水色の体育館は海/布野割歩 空を掴むやうに桜のくろき枝 とまるヒヨドリがそれぞれに鳴く/鈴江義之 【歌会】題:銀杏 一本の線を行ったり来たりするように散るモノクロームの銀杏/奈辺 駅前のベンチであなたを待つときは銀杏葉のごと心広げる/三上麦 理六前イチョウが明度上げており半音高く歌うスピッツ/真中遥道 道端へ落ちた銀杏葉それぞれにもう諦めた秋のあかるさ/布野割歩 一面の黄色を映す水溜まり越えれば秋の歌が始まる/雪野菜帆
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