歌会の記録:2001年1月10日(水)

歌会コメント

新年歌会 参加者10名
永田紅さん、大谷良太くん久々参加。
永田紅さん歌集『日輪』を初めて読ませていたきました。

詠草

01 あたらしき年のひかりは窓の中木の朽ちてゆく時の音せり  棚木恒寿
02 新しき洋服に袖通す朝ガラス器に梨は盛られていたり  大谷良太
03 心には汝が影のみを浮かべつつ水面に触るる指ぞ恋しき  西之原一貴
04 艶々と果物の種テーブルにおまえが吐き出したこの夏の  澤村斉美
05 高すぎる青空のもと内省の言葉を増やし二十歳を終えつ  田中克尚
06 もう戻れないんだってさ封筒の表にするすると描く金色(きん)の蛇  水野ふみ
07 頑丈なガラスの兎も溶け出だし貌を失う 家族のごとく  松島綾子
08 天(あめ)の白地(つち)の白より昏からむ枝ふちどって雪積もりけり  森雅紀
09 右足を上にして組む君の目はカタリと老婆の立つを見ている  井上リリー
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