歌会の記録:2000年11月22日(水)

歌会コメント

歌会 参加者数9名
001122の日でした。

詠草

01 寿の一画二画三画が乱れてしょうがない婚姻である  澤村斉美

02 山寺がまた紅葉する。預言とは殺すことさえある勁き意志  島田幸典

03 手桶よりこぼるる水の泡となりひろがりてをり遠き諍ひ  西之原一貴

04 凍蜂をあぎとの下に死なしめて神の牛なりほほえみにけり  森雅紀

05 白ぶどうの房を分かちて与えたり袋の奥に折り重なって  水野ふみ

06 相談に乗るといっても聴くだけの我は目薬膝にこぼしぬ  杉美和

07 二筋の金糸たまごを引き上げて収めし唇の横に笑へり  森雅紀

08 ノルウェーの獣のひげを冷やしたる月明かり薬包紙を開く  澤村斉美

09 老婆心ながらと最後に書き添えてほんとうにおばあさんになった気がした  水野ふみ

10 携帯の震へおさへつ肌寒き秋の日に目をつぶりつつゆく  西之原一貴

11 力とふ救ひのあれや毘沙門の怒りの果ての堂の暗がり  松島綾子
  • このページに掲載の歌稿は、作者の許可のもとで掲載しています。
  • 転載などを希望される場合には、京大短歌会のメールアドレスあるいは「お問い合わせ」より連絡ください。作者の意向を確認し、その都度対応を決定してご返信いたします。