歌会コメント
8名で歌会を行いました。解題の時間を長めにとり、作者の意図や制作背景についても話しました。
詠草
本当の風景を見たことがない 涙の膜が目を覆うから/今紺しだ 口紅がマスクについていてこれは世界と交わしたかったくちづけ/布野割歩 牛丼に卵を落とす世界一ズルい作戦でいい勝ちたい/三上麦 冬は過ぐばつんと切られし髪を梳く指の寂しさ忘れてゆかむ/小池ひろみ 分かり合うつもりだった「もう疲れた」と8切って君はひとり2上がり/真中遥道 水滴で石を彫るならその速度その喩としての千の花びら/豆川はつみ またねとは言えずに文庫本を貸す われわれは大海原の舟/齊藤ゆずか 冬よりも冷えて佇む肋骨を横向きにしたような雲梯/武田歩
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